Column5.掛け捨て型と積立型の違い


◇それぞれの特徴
掛け捨て型と積立型のどちらがいいのかは人によって変わってきます。
保障を受ける為だけに保険に加入する場合は「掛け捨て型」をオススメします。保障に特化している分保険料は安くなります。
「積立型」をオススメする方は、保障だけでなく、貯金もしたいという方です。
保険料は掛け捨て型と比べて上がりますが、毎月支払う保険料を自動的に積み立ててくれて貯金もしてくれます。更に、高額ではないですが保障も受ける事ができます。
どちらを選ぶかは、その時加入する目的によって変わってきます。それぞれのメリット・デメリットもまとめてみましたので表も見て頂けると考えやすいと思います。

【掛け捨て型】
メリット
保険料が安い。

デメリット
保障に特化している分貯金の機能がついていない。

【積立型】
メリット
貯金の機能がついていて、自動的にお金がたまる。

デメリット
掛け捨て型と比べると保険料が高い。



◇保険料はどれほどの違いが出るのか?
ある保険商品を例に考えてみます。30歳の男性が60歳までそれぞれの保険に加入したとします。
例えば60歳まで、保険に加入したとします。

掛け捨て型の保険の場合、10年ごとに更新をして3回の契約で30年間の保障を付けます。
更新のたびに、男性の年齢は上がり、保険料もあがります。
それでも今回の掛け捨て型の保険商品の場合は30代で1500円以下、50代でも3500円ほどと月々の支払はさほど高くありません。
掛け捨て型の場合には30年間でおおよそ70~80万円ほどの支払総額になる見込みです。

一方、貯蓄型の終身保険の場合には月々1万円ほどの支払を30年間ですので、おおよそ360~400万円の支払総額になる見込みです。

この時点で、保険料の総額にはおおよそ5倍の差があることが分かります。



◇貯蓄型のメリット、解約返戻金はどうなっているのか?
上記の例で30年間の支払を終えたとします。
貯蓄型の場合には、払込期間が終わった後に解約すると、解約返戻金を受け取る事が出来ます。
商品にもよりますが、積立額の100%以上の金額が戻ることもあります。
そのため、貯蓄型の保険商品の場合には一時的な月々の支払額は多くなりますが、 30年間というスパンで考えた時には「30年分の保障」を保険料ほぼなし、あるいは支払額より多い貯蓄と共に手に入れる事が出来ます。

掛け捨て型の場合には貯蓄性がないため、30年間の契約が終わると何も残らないことになります。



◇貯蓄型のデメリットは?
ここまで聞くと、貯蓄型の方がいいのでは?と思ってしまいますが、そうとは限りません。
貯蓄型は払込終了まで掛け捨て型の5倍の保険料を払い続ける必要があります。
もし、途中で保険料の支払いが出来なくなり、途中解約ということになれば、解約返戻金こそもらえるものの、戻ってくる金額は減ってしまいます。
その場合、掛け捨て型の方が結果として安く期間内の保障を行えた、ということにもなります。
そのため、途中解約に関しては損である、ということがデメリットとしてあげられると思います。



◇ポイントは「貯蓄があるのか」と「いつ必要なのか」
では両者を選ぶにはどういう点から考えればよいのでしょうか。
掛け捨て型を選ぶ場合には貯蓄性がない保険のため、もちろん別途貯蓄を用意する必要があります。
逆に貯蓄が十分にある人、他の方法で貯蓄を作る人は掛け捨て型で良いでしょう。
また、ある一定の時期だけの保障だけでよいという場合にも掛け捨て型が良いでしょう。
しかし、高齢になるに従い、掛け捨て型の保険に加入が出来なくなっていきます。
そのため、一生涯の保障をつけたい場合には、貯蓄型の保険を選ぶと良いでしょう。
保険による貯蓄や、お金を増やすということをしたい場合にはなおさら貯蓄型の保険がオススメです。

しかし、ある程度年数が経ってから途中でどちらかに乗り換える、ということだけは勿体無いのでオススメできません。
初めて加入するとき、あるいは若いうちに将来設計をしっかり立てて、慎重に選ぶことが大事です。




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